「8020運動」がキープできなかった ではどうする?
目次
歯も体も元気だった若い頃
若い頃、冗談で「無病大食」だと言っていました。
ホント、お産以外には医療機関にはお世話にならなかったですから。
ところが、「後期高齢者」になったとたん、
歯周病、高血圧、高血糖値、腰痛に注意が必要になってしまいました。
幸い、どれも軽度ですが、まるで疾病の問屋みたいです。
今回は、入れ歯について掘り下げてみます。
私の歯は丈夫で、歯科医院とは無縁でした。
ところが子供を2人得た頃から「う歯」になりました。
でも、ちゃんと充填手当をしていただいたので、事なきを得ていました。
なので「8020運動」って、楽勝じゃん!と考えていました。
「8020運動」とは?
1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が
推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という
運動です。
20本以上の 歯があれば、
食生活にほぼ満足することができると言われています。
その達成率は?
8020達成率は、
運動開始当初は7%程度(平均残存歯数4~5本)でしたが、
厚生労働省の調査(2005年(平成17年)歯科疾患実態調査)では、
80歳~84歳の8020達成率は21.1%で、
85歳以上だと8.3%にまで伸びました。また、厚生労働省の「健康日本21」では
中間目標として8020達成率20%を掲げましたが、
2007年(平成19年)に出された中間報告では、それを上回る
25%を達成しました。(健康日本21中間報告)その後、2017年6月に厚生労働省が発表した
歯科疾患実態調査(2016年調査)では、
達成者が51.2%となりました。
これによれば高齢者の約半数は目標を達成でき、
不自由のない食生活を送っているということですね。
でも、裏を返せば80歳で20本の歯がなく、何らかの手当をして
いる人が半数いるということです。
ちゃんと手当を受けている例はいいのですが、治療を怠っている人も
中にはおられるようです。
有名人では将棋で活躍した加藤一二三さん。
マスコミに出てくるこの方のとしぼんだ口元を見て
「あ、おしいなぁ」と思ってしまいます。
あれほど隆盛を極めた立場だったのに、
どうして放置していたんだろうかと。
歯を失う原因は?
「う歯」と歯周病です。
う歯は痛んだりしみたりして生活に支障をきたすので誰もが
治療を受けます。
でも、歯周病はよほど悪化してからでないとわからないのです。
歯がぐらつくなどの異変を感じてからやっと気づくのですが、
その時にはかなり進行しているようです。
健康な歯を保つためには
・半年に1度は歯科検診を受ける
・歯磨きを怠らない
1日3回の毎食後、特に就寝前の歯磨きは念入りに。
歯を失うことで起こる支障は?
・1本でも歯を失うと残った歯に負担がかかる
・噛む力が衰え、脳や筋力が衰える
・会話がしにくくなって人との交流がおっくうになり、その結果
運動機能、認知機能が低下する
つまり、高齢者にとっては歯の健康を保つことが大切だと分かります。
入れ歯で歯の機能をキープする
入れ歯には3種類あります。
総入れ歯、部分入れ歯、ブリッジの3種類です。
・総入れ歯:すべての歯がない時に使用。
歯茎に着けるので脱着が簡単。
装着時の見た目に違和感がない
修理が容易
(欠点)外れやすい、噛む力が弱い
部分入れ歯:歯が少し残っている場合に使用
脱着がやや難しい(金具で歯にとめるので)
会話中、金具が相手に見える場合がある
修理が簡単
外して洗える
ブリッジ:歯が1~2本ない場合
条件は隣接する両側の歯が健康であること。
脱着はなく、噛む力は衰えない
入れ歯治療に保険はきくの?
健康保険がきくものと、私費負担するものがあります。
保険が適用される場合
補材がプラスチック製が多く、口内の形に合わせることに
制限があります。
私費負担の場合
負担額が高い。
自分の口に合ったものが作れる。
熱さ、冷たさも感じられる。
入れ歯の取り扱いには注意が必要
適切な手入れと保管で長持させましょう。
・できれば歯磨き剤は入れ歯専用のものを使う。
・手入れ中の注意
落として壊さないように、水を張った洗面器の上でするとか、
下にザルなどを敷いておく。
・ブラシで磨き、ぬるま湯に専用洗浄液を入れてよくすすぐ。
・使わない時は水を入れた入れ歯ケースにしまう。
・歯科医のメンテナンスを受ける
せめて半年に1度はうけましょう。
歯茎はやせていくものですから。