100歳まで元気に生きるっチャ

自称若者のバァバが斜めから見たこの世の中。捨てたもんじゃおませんよ。

かかしに占領された村のおはなし

 少子化が進むと、当然のように社会全体が老齢化してきますよね。


生まれてくる赤ちゃんの数よりも、長寿化で長生きする高齢者の方が
多いのですから。

 

香川県のある島では人の数よりもネコの方が多いとか。

 

今回訪れた村では、ネコならぬ、かかしが多いのです。


かかしと言うよりも、ほとんど人形と呼ぶ方がぴったりなんですけどね。

所は、徳島県三好市の山村

見頃という地区なんです。


「天空の村」という別名もあるんですよ。

 

人口が29人。
最寄りの電車の駅(大歩危)からバスで70分もかかる山深い里です。

f:id:akibon-cocoan:20200815231506j:plain

 

国道だと言っていましたが、
比較的広い舗装された道もあるにはあるものの、
大半は地形の関係で、対向車があればどちらかがバックして
道を譲らねばならないという道路状況のところです。

 

曲がりくねった山道を上へ上へと登っていきます。


「へぇ、こんな山深い地域にも人が住んでいるのか」、
と思いつつバスに乗っていたら、やっと着きました。

 

終点の「見頃」地区。

 

まず、目に入るのが畑仕事をしている老夫婦。
炎天下での作業を繰り返したためか、衣服は色あせています。

 

でも、「人」ではなかったのです。

「人形」。
それも等身大の。

 

夫婦の人形が農具を使って作業をしているんですね。


腰をまげ、懸命に野良仕事をしている人形に、
思わず「こんにちは、お邪魔します」とあいさつしたくなりました。

 

昼寝のおばさんもいましたよ。

f:id:akibon-cocoan:20200823154429j:plain

 

かかし200体、人口29人

この見頃地区では子供がいなくなって、バス停の傍の学校は
廃校となっていました。

 

まず目に入ったのが「かかし工房」。

f:id:akibon-cocoan:20200823154154j:plain



戸を開放していて、誰でも入れるようになっています。

なかは「かかし」ならぬ「人形」が所狭しとばかりに並んでいます。

 

f:id:akibon-cocoan:20200823154727j:plain

 

里の等身大の生活のなかの人形たちです。
なので、老人が多いです。

 

あまりのリアルさに思わず声をかけそうになりました。


徳島を代表する「阿波踊り連」もありましたよ。

f:id:akibon-cocoan:20200823154320j:plain

結婚式の様子や、村のエライさんたちの姿、おばあちゃんに抱かれた
孫たち。

f:id:akibon-cocoan:20200823154217j:plain

f:id:akibon-cocoan:20200823154827j:plain

 

f:id:akibon-cocoan:20200823154339j:plain

f:id:akibon-cocoan:20200823154255j:plain




さまざまな人形が、時を忘れさせてくれます。


マスコミでも有名になって

たまたま、ここを訪れたドイツ人留学生がネットで動画を発信したところ、
たちまち話題になったということです。

 

不便な田舎の里。


若者から見放されたような地域。


昔ながらの生活を繰り返しているお年寄りたち。

 

便利とは真反対の社会かもしれないけれど、
それと人々の幸せとは関係がないように見受けられます。